嵐山の育てた4人のハンター(合成SS)
ドンドルマカレンダーの残骸

あかつき金星周回軌道投入失敗...

カテゴリー: 雑記

TVのニュースなどでもご存じかとは思いますが、5月に打ち上げられた金星探査機あかつきの12月7日の金星周回軌道への投入は失敗に終わったようで、無事を祈りつつ断酒状態(肝臓のセーフホールドモード)に突入したまま3日目を迎えた嵐山です。

JAXAの会見(ニコ動、Ust)とかtweet(#akatsuki)とかで見る限り、12/7 8:49の減速の為の逆噴射開始後、何らかの要因で異常回転が始まっちゃったたため緊急回避用の姿勢(セーフホールドモード)に入って逆噴射を止めちゃったことにより金星への軌道に入れなかったということのようですね。

とりあえず通信も回復して、状況も少しずつ取得されて解析が始まっており、原因究明もされるのではなかろうかと。機体自体は、現在ほぼ金星と同じ軌道上を金星より少し速い速度で安定して回っているとのことなので、とりあえず最悪の事態は避けられたのではなかろうかと一安心というところでしょうか。
でもって、このまま飛行を続ければ、6年後の2016年12月頃に再度金星に接近することになるので、改めて軌道投入を試みるということのようです。

ただし、今回の逆噴射に使用したセラミックスラスタ(セラミック製は世界初)に問題があるとなると、果たして6年後の再軌道投入が可能なのかということは、もうしばらく状況を解析してみないとわからないらしいので、期待もほどほどにしておいた方が精神衛生上いいかもしれませんね。

でも、まあ当然の如く新聞記事とかでは「250億円の無駄」という論調が出てるようですが、逆に聞きたい。
じゃ成功してたらどうだったの?いくらになったの?
逆にここまでの経済効果は、どれだけあったの?
子供手当、いくら投入してどれだけの効果があったの?

ちなみに例のYダムは約5000億とか使って今も宙ぶらりん。工事再開となると錆びた鉄筋とか交換とかさらに追加費用がかかるんぢゃなかろうかと思われ。

でもって、まだ失敗と決まったわけではないので6年分の維持費のやりくりは必要だけども、もう1機作って打ち上げる必要は今のところ無し。というかはやぶさ2もまだ本決まりなわけでもないし、他の探査テーマもあるし、他国との兼ね合いもあるし。

私が理系ヲヤヂだからなおさら感じるのかも知れませんが、そもそも研究費として投入したものに対して費用対効果を求めるのが無茶というもの。ましてや、NASAとかに比べれば遙かに少ない予算で辛うじてやりくりしてる状態にもかかわらず、海外からも注目される"世界初"をいろいろとやってるってのに。

まあ確かに、今回のことがセラミックスラスタの問題であったのなら、予算の都合で宇宙空間での耐久燃焼実験とかが出来なかったとか、NASAみたいに予備機をスタンバイさせておけなかったということで、やっぱり「みんなびんぼがわるいんや(ノД`)」ということなのかも知れませんが...。


その他、この数日で気になったこと2点ほど。

【記者会見に来てる記者連中に腹立ったこと】
・何を聞きたいのか、何を意図して聞いているのかわからない
・不明と言っていることに対して具体的な数字を無理矢理聞いてどうする
・他の記者の質問と、それに対する回答を聞いていない、理解していない
・そもそも基本的な予備知識が無い

麻生さんのignore itを思い出しましたわぃw。

しかも、記者会見でJaxaの教授が説明している内容が正しく伝わっていない。会見後の報道記事を見ても、なんでそ~なるのっ、というのがそちここに...。
新聞やテレビの情報が如何にアテにならないかが、あらためてよくわかりますたw。

12/8 20時からの会見ではJaxaの中村教授が、記者会見ではなく「記者レクチャーを始めます」とすっかり割り切られてましたし(^-^;)。

でも、こういった記者会見が生中継で見れたり、twitterなどで速報がすばやく流れたりと、生の情報が手に入るというのは、便利な世の中になったものだと実感。但し、その分情報の取捨選択には慎重になる必要はありますが...。


【リサージュ図(多分w)】
12/8 11:00AMのJaxaの会見のときに出てきた資料。多分リサージュ図ってのだと思いますが、見方に苦労されている方や誤解されている方も多いようです。


これは、太陽と金星の位置を固定して、あかつきがどのような相対軌道をとるかを示したもの。

太陽を中心としているので、地球は当然円軌道(外側の青い円)になります。金星は太陽から右のVenusって書いてあるところの点。
橙色で、大きい弧と小さい丸の繰り返し(ぐい~んクルンぐい~んクルン・・・)とでもいいましょうか、花びらみたいな不思議な図形があかつきの軌道になります。この大きい弧の数があかつきが太陽の周りを回る周回数(11回)、小さい丸の数が金星が太陽の周りを回る周回数(10回)になります。

上側の正方形の図はx-y軸で見たもの、下側の長方形のはx-z軸、すなわち上の図を横からみたものになります。
地球と金星の公転(太陽の周りを回る)軌道は数度違っており、この図における地球の軌道は斜めになるので8の字みたいになってます(上の図と同じ青線)。あかつきは金星と同一平面上の軌道にいるので、橙色の線は水平になっています。

実際のイメージはわかりにくいので、ここのCGが参考になるかも。
下の方の三角矢印を右へ繰っていくと、太陽系の惑星軌道を地球を中心としたものにしたのが出てきます。その時の金星軌道を見てもらうと、上の図のあかつきの軌道のイメージが分かるのではないでしょうか。

けっしてあかつきは渦巻き状の軌道をとるわけではなく、金星とほぼ同じ太陽を周回するだ円軌道上にいるのです。


これに対し、昨夜twitterで流した報ステの誤CG。アニメGIFで公開されている方もおられるようですが、金星の軌道が書かれているという時点で明らかな誤り。これではまるで金星の公転軌道上をぐりんぐりんと変な回転をしながら回ってるようにしか見えません。
Jaxaの図をそのまま放送で流そうと意図していたと解釈するなら、逆にリサージュ図の意味を説明しないといけないし、そもそも一般向けに適切な解説図とは思えない。

この辺をNHKはきちんと理解して、CGでもちゃんと金星が10回まわる間にあかつきが11回まわって追いつくということを説明していました。

わからないなら専門家に確認するとかすればいいのに、このあたりにもTV局の姿勢というものが見えているのかも知れませぬ(-_-;)。

2010/12/09(木) 01:04 | trackback(0) | comment(2)

Re: 我ら科学の子!

wyrem 様

いつもありがとうございます<(_~_)>。

>  おー、嵐山さんは理系なのですね!
> 私はバリバリの文系、というか美術系なんですけど、SF小説が大好物なので宇宙技術に関する事は興味深く見守っている者の一人です。

理系ヲヤヂのバックボーンみたいなのを http://mhwoyage.blog55.fc2.com/blog-entry-362.html 別途まとめてみますた。SF小説は、昔々にE.R.バロウズから入って幾らか有名どころは読んでましたが、以後とんとご無沙汰しておりまする...。


>  はやぶさが健気で冷静沈着な子なら、あかつきはマイペースで慌てん坊な子って感じですね(笑)
>
イカ坊はやんちゃな末っ子w。


>  私も昨今の一般庶民の科学リテラシーの低さは問題だよなー、と漠然とした危機感を持つ一人です。
> 科学ド素人なので偉そうには言えませんが、何が科学的に正しいのかを確かめようという姿勢は失わないようにしたいものです。
>  先日、二十歳くらいの子と話したら「人類は月に行っていない」とか信じていたり「空が青いのは海の色が反射しているから」とか真顔で言っててビックリです。一応、私なりに科学的説明をしたつもりですが、腑に落ちない顔してました。ははは……。

私らの時代と違って、なまじいろいろな情報を得られるだけに、逆に1つの情報に辿り着いたら(それが信用するに値するものなのか嘘なのかに関わらず)それで安心しちゃってそれ以上追求しないとかなんでしょうかねぇ...。
あるいは複数の事象を論理的に結びつけて考えるのが苦手とか。

まぁ技術屋にも最近そういう人が多いと言えば多いですが。


またヨロシクです(^o^)ノシ。

我ら科学の子!

 おー、嵐山さんは理系なのですね!
私はバリバリの文系、というか美術系なんですけど、SF小説が大好物なので宇宙技術に関する事は興味深く見守っている者の一人です。
 はやぶさが健気で冷静沈着な子なら、あかつきはマイペースで慌てん坊な子って感じですね(笑)

 私も昨今の一般庶民の科学リテラシーの低さは問題だよなー、と漠然とした危機感を持つ一人です。
科学ド素人なので偉そうには言えませんが、何が科学的に正しいのかを確かめようという姿勢は失わないようにしたいものです。
 先日、二十歳くらいの子と話したら「人類は月に行っていない」とか信じていたり「空が青いのは海の色が反射しているから」とか真顔で言っててビックリです。一応、私なりに科学的説明をしたつもりですが、腑に落ちない顔してました。ははは……。












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